Life and Pages

本や映画、音楽について書いています

誰でもないところからの眺め

終わりの始まり、という言い方を時々聞く。この本で描かれているのは、そんな始まりの予感のようなものだ。現代を終末のようだと評する見方はある意味正しい。このまま衰退していくのではなく、新たなパラダイムが始まるのを待望する気持ちが何かを引き寄せる。それが宗教なのかもしれない。超常現象なのかもしれない。集団催眠なのかもしれない。
この本の中で、認知症になった母親のことを別人のようだと感じ、母ではないとしたらあれは誰なのだろうと考えるシーンがある。そして、そうなった人こそがその人なのではないかと思う。そんなふうに考えたことはなかったけれど、もしかしたらそうなのかもしれない。
何かが始まる予感、その空気感を描いているのだろう。